立場の違いが分断を生む障壁であるならば、半歩だけ踏み出せる場所があることは、個人同士がつながり助け合える場所になれる。
お恥ずかしい話になりますが、8年前の自分を思い出すと、私は多くの不安から生じる不満を抱えており、その不満の原因を他者や上位機関の責任にして甘えていました。まるで野犬のような状態のまま、興味本位で外部に半歩だけ足を踏み出したところ、現状への不満の原因は、個人に着眼することなく、相手を立場や組織で一様に考え勝手に誤解していた自分自身が原因だと気づき猛反省しました。
今では、地方自治体のいち職員にすぎない私であっても、自らの組織外の素晴らしい方々に出会わせて頂いています。この素晴らしい方々との出会いこそが、実は最も貴重な財産であることを心から実感しています。自らが勇気を持ち、半歩だけでも組織の外に出たことで得られたこの貴重な出会いは、外の世界には、国・県・研究機関・学・産・民という立場を越えて、多くの理解者や応援者が存在していることを学ばさせて頂いただけでなく、同じ “思い” を共感する同志とつながれることは、日々の生活や実務の安心につながっています。こんな私でも、上記のような人生観を変える “出会い” を体験できたので、同じ立場の地方自治体職員はもとより、多くの方々に“やさしい出会い”を体験して頂き、前向きになってほしいと心から願っています。
私見になりますが、同志との出会いは、“思い”という箍(たが)で“同志の群れ”を束ねることができるきっかけだと信じています。この『立場を越えた同志個人が束になる群れ』こそが、種々の社会課題の理解や解決の一助になると考えています。そこで、市職員という立場のままであっても、私なりに実現可能な社会貢献活動の形(やさしさ)として、“熱い思い”をもつ同志(行政エンジニアや賛同者)の協力のもと当機構を設立しました。
我々は、国家機関や権威ある学術団体のような高度なことはできませんし遠く及びません。我々は、それらの支援の隙間を埋める緩衝材となるボトムアップの支援を目指します。その理由は、自らが地方自治体の職員として、橋梁メンテナンスの最前線で老朽化対策に奔走する中、最前線であればあるほど、当機構が目指す隙間を埋める緩衝材のような支援こそが必要だと痛感しているからです。
分断や孤立が諸問題の根幹にある中、当機構は、立場を越えた同志個人の“やさしさでつながる群れ”が、大きなうねりとなることを切望します。どうか、立場を越えた多くの皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人 行政エンジニア支援機構 【SORAE】
代表理事 木下 義昭 (玉名市役所職員)