設立の経緯

 私たちは、国、地方公共団体に属する主に技術系の公務員を対象として、会員の専門もしくは職場にとらわれず、自由な立場で討議し、当機構が行う調査・研究・開発に参加あるいは協力することにより、会員相互の技術知識の向上と交流を図り、会員の資質向上により地域社会の持続的発展に寄与することを目的として(一社)行政エンジニア支援機構を設立いたしました。

 当機構は、代表理事をはじめ多くの理事が地方公共団体の現役職員であるため、活動に対し時間的制約が存在します。しかしながら、地方公共団体の現役職員であるからこそ、支援の対象となる行政エンジニアが本音を吐露しやすい場所を提供できます。ゆえに、『公務員による公務員のための支援団体』といえます。

 なお、公務員の皆様は、立場に関係なく会費は『無料』ですので、公務員の方は、まずは会員登録ページの正会員の登録フォームより会員登録をお願いいたします。

『人の群マネ』へのチャレンジ

 国土交通省では「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」を推進しています。当機構の顧問には、「地域インフラ群再生戦略マネジメント計画策定手法検討会」座長の家田仁先生、「地域インフラ群再生戦略マネジメント実施手法検討会」座長の小澤一雅先生をはじめ、群マネに関わる委員の先生方いらっしゃいます。

 そこで当機構では、末端からの微力な活動かもしれませんが『人の群マネ』として、まずは最前線の担当者(実務者)である公務員同士が、立場を越えて広く水平連携するための人的ネットワークを自主的に構築します。

 具体的には、群マネの3つの柱のうちの『担い手が束になる』ことに寄与することを目指します。『担い手の束』の効果とは、発注側だけじゃなくて受注側も含めて技術者として束になる効果だと考えております。当機構が目指す技術者が繋がる場所の構築は、群マネが目指す『担い手が束』と合致していることから、当機構の活動は群マネの推進にも大きく寄与できると考えます。

代表理事

代表理事のぶっちゃけ話

 昨今、私のような不出来なエンジニアであっても、各方面から他市町村への『横断展開』や『支援』が求められます。しかしながら、当方に何かを求める方々の中には、いち市役所職員の私にとっては、公務内で他市町村を助けることが、自分の組織内に対しどれだけ遠慮し気を遣うことなのかを理解してもらえない場合が多いです。何が言いたいかと申しますと、支援する側が胸を張って支援できる立場や受け皿を先に準備しなければ、『横断展開』や『支援』が持続できないという実状がいつまでたっても伝わらないのです。 

 こんな状況なんですが、老朽化対策等の諸問題は『総力戦』で挑むことが急務のため、最底辺の公務員の私にできる精一杯の行動を発起し『小さな火種』を作り、その『小さな火種』の行方を社会に委ねることは、今の私にもできるのではないかと考えました。

 当機構の設立は、私個人のある意味身勝手なチャレンジでもあるにも関わらず、当方の熱い思いに同意頂いた同志の協力をもって設立に至っています。

 設立時の話ですが、当機構の設立は私個人のチャレンジに関係者を巻き込むことになるので、設立時の資本は自己資金約70万円(恥ずかしながら私にとっては大金)を準備しました。しかし、法人の設立には、準備や登記等に要する費用が想定外に必要でした。少ない資金で設立に至るためには、多くの仕事を自分でやり遂げコストを抑制する必要があります。ホームページ作成や法人登記など多くの初めての経験をしました。わからないことばかりで本当に大変なため正直何度もくじけましたが、お金がなければ外注できません。だから、仕方なくやりきったという状況です。

 この苦行を経験してみると、お金がなく外注できない場合は設立スピードが遅くなる反面、自らが全てを経験し設立に至ったことで、言葉では言い表せないほど多くの経験と知見を得ることができました。つまり、プラス思考に考えれば、資本が乏しいという制約条件を受け入れたうえで、自分にできることを根気強く続けた結果、自信と達成感を得ることができました。

 実は、多くの人がこの自信と達成感に紐づく自らの存在価値を欲しているのではないかと考えています。不便や制約があるからこそ皆が協力することが求められ、1人1人がより一層必要になるため、個々の存在価値を実感できる。私は当機構がそんな第3の居場所(サードプレイス)になる可能性を感じています。

 偉そうなことを申しましたが、現時点では、少額の資本しかないため多くの皆様に助けて頂かないと、来年には解散しているかもしれません。さらに、日々の日常業務の合間にしか活動できないことも心苦しいです。しかしながら、当機構設立という『小さな火種』は、私のような不出来な代表理事が苦悩した先の答えだからこそ、多くの方々が「ダメな代表理事をひとつ助けてやるか」という”熱い思い”を抱いてくれると信じています。

 ”お金はないけど自由はある”。そんな『小さな火種』が分断や孤立を要因とする社会課題の隙間を埋める緩衝材として、地味だけどいい仕事する団体になることを切望します。